きのPのサイケなリズム

アニメ、音楽、人生の話いろいろ

ヨルシカ好きな曲ランキング 21位~40位

どうも きのPです。生粋のn-bunaさん信者です。

 

 

kinoblog.hatenablog.jp

 

前回の記事では「ヨルシカ楽曲ソート」を用いて全ヨルシカの曲(インスト除く)をランキング付し、そのうち「1位~20位」について個人の間奏を綴りました。

今回はその続き、「21位~40位」の曲について語っていこうと思います。ランキングの趣旨や注意事項については、前回の記事に記載しておりますのでそちらを参照ください。

 

今回もかなりの文量になりますので、自分の好きな曲のコメントだけ見るぐらいの気持ちでいただければと思いますし、割とフィーリングだけで書きなぐってる節があるので、細かい表現や用語の使い方については突っ込まないでいただけると幸いです。

 

 

 

 

21位 ヒッチコック


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第21位は「ヒッチコック」です。

 

この曲を聴くと胸がざわめくのは何でなんでしょうか。このように問いかける口調が多用されているからなんでしょうか....?

 

歌詞がとにかく頭に引っかかる曲です。前述した問いかけ口調もそうですし、曲調は「言って。」同様のポップな雰囲気を纏っていながら、歌詞に「やりきれない悶々とした心情」が滲んでいます。

今回のsuisさんはまさに「心に穴がポッカリ空いた思春期」を宿して歌唱されているように感じるので、それも相まって胸を騒めかせるのかもしれません。

 

MVにも登場しているこの曲の問いかけ主ですが、大切な人を亡くしてしまった女の子であるとされています。もしかしたら「答え」なんて求めてない、ただやりきれないこの心情を吐露したい、楽になりたいという願望がこの曲の「説得力」につながってるのかもしれません。

 

「先生 人生相談です。この先どうなら楽ですか。そんなの誰も分かりはしないよなんて言われますか」

サビの歌詞ですが、メロディのハメ方が気持ち良いです。少し跳ねるようなリズムになっているので、日本語知らない人に聞かせたら普通にポップソングだと解釈してもおかしくないですね。

 

「幸せの文字が¥を含むのは何でなんでしょうか。一つ線を抜けば辛さになるのはわざとなんでしょうか。」

あと2番のこの歌詞が頭にこびりついて離れないです。文字にしないと分からない部分ですが、僕はカラオケでこれを歌った際に雷で撃たれたような衝撃に見舞われたのを今でも覚えています。「幸」の一文字をそんな風に捉えれるセンスが恐ろしいです。

 

先生、次は第22位です。

 

22位 神様のダンス

 

第22位は「神様のダンス」です。踊ろうぜ、ほら。

 

この曲は終始こちらを刃物で刺してきそうな声のsuisさんが、荒んだ歌詞を振りまいてくるというかなり攻撃力の高い曲です。(ド偏見)

 

イントロはだんだん音階を下ってくギターのチョーキングが印象的で、只者じゃないオーラを冒頭からすでに放っています。後ろのピアノが楽しそうなのが不気味です。

そしてAメロで急に音数が減ります。情緒不安定な感じを演出していますよね。「間」の使い方も、こんなパターンがあるのかと驚きです。

 

僕たち神様なんて知らん顔 何処までだって行ける。なあ心まで醜い僕らだ 世界は僕らのものだ

サビですが歌詞の当たりが非常に強いですね。今までの展開も含めてここが感情の頂点なのかなと思います。このハラハラするような危なっかしさがこの曲の持ち味であると私は考えています。

 

またラスサビ前の間奏は圧巻です。ヨルシカのピアノといえば有名なのは「だから僕は音楽を辞めた」かと思いますが、この「神様のダンス」の間奏ピアノも非常に印象的で、感情の起伏をそのまま乗せたような演奏をされています。

 

では第23位に参ります。

 

 

23位 負け犬にアンコールはいらない

 

第23位は「負け犬にアンコールはいらない」です。犬の遠吠えから始まる特徴的な曲ですね。

曲自体は疾走感あふれるロックという感じで、ほぼ終始全速力で駆け抜けます。ハイハット裏打ちリズムがカッコいいですね。

 

細かい部分だと2番に入る前のキメの連続と、ドラムスティックの2カウントがなんか可愛くて好きです。2サビ前のカウントダウンだったり、ちょっとお茶目が覗いているのがいいですね。suisさんの声も曲調に反してわりと可愛めです。

 

 しかしこの曲、2番のサビが終わると唐突に音数がグンと減ります。どうしたというのでしょうか。ここの間奏は唯一の休憩ポイント、いわゆるオアシスとして機能していて、体力およびMPを回復することができます。ここで鳴っているベースが非常に良い味出してますね。実際、このような分かりやすい抑揚ポイントが1カ所あると、他セクションとの対比でより静けさが際立ちますよね。「静」を際立たせる天才です。

 

その後はラスサビ、「吠え面かけよ偽善者」で転調しますが言うまでもなく最高です。聴けば全人類が血沸き肉躍るんじゃないでしょうか。ほんとに素晴らしい曲構成です。

 

24位に参りましょう

24位 又三郎


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第24位は「又三郎」です。宮沢賢治の小説「風の又三郎」がモチーフですね。

こちらも疾走感あふれるロックナンバーではあるのですが、歌詞にも登場するようにまるで吹き荒れる「嵐」のような曲だと感じます。

どっどど どどうど どっどど どどうど

この原作で有名なワンフレーズも、曲の中にコーラスとして登場します。年末フェスでは観客の声でこの部分が歌唱されていて、一体感がすごかったですね。

 

suisさんのボーカルに注目すると、最初は静かに語りかけるようにスタートしますが、サビでは一転かなり強めのヘッドボイスで、まさに嵐が吹いているような歌い方をしています。ライブで聴くとこのサビ、ほんとに高らかにまっすぐ伸びてて、また数倍化けた曲になります。

 

風を待っていたんだ 絡み合った社会は ずいぶん窮屈すぎるから

 

吹けば青嵐 何もかも捨ててしまえ 今に僕らこのままじゃ 誰かも忘れてしまう

現代社会に生きて、溜まっていくストレスや理不尽、鬱々としたものを全て吹き飛ばしてくれという内なる叫びが歌詞に表れています。この振り切れてる感じのニュアンスもしっかりと歌唱に染みこませてる我らがsuisさんです。LOVEです。

 

サビ裏で鳴っているリードギターはスライドしながらハイフレットを移動していくフレーズで、まさにそんな社会のうねりのようなものを表現しているようです。

 

風吹けば 次は第25位です。

25位 老人と海


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第25位は「老人と海」です。ヘミングウェイの小説「老人と海」がモチーフです。この辺りは実在の小説モチーフの曲が続いていて、順番的には「又三郎」の次に位置します。

穏やかな海辺の風景をイメージさせるゆったりとした曲調ですが、一方でサビでは「又三郎」と同様、しがらみから抜け出して自由になりたいという「開放感」を奏でる展開になってます。

 

あぁ まだ遠くへ まだ遠くへ 僕らは心だけになって

まだ遠くへ 海も超えてまだ向こうへ

語尾を伸ばす感じのメロディの繰り返しが、水平線の遥かまで広がる景色を呼び起こすようなそんなサビです。引用部分は実はラスサビですが、ここの「あぁ」はそんな広大な海を見て思わず出てしまった声、という感じがして非常に良いです。

 

曲の大半を占めているギターのミュート刻みは、この曲の象徴といっても過言ではなく、音色も相まって爽やかな海の情景を匂わせます。このギターが僕はめちゃくちゃ好きで、波の音のサンプリング音も合わさって高いリラクゼーション効果を発揮しています。都会の喧騒に疲れたら、この曲を聴きに来ましょう。

 

多種多様な「夏」を展開されているn-bunaさんですが、僕はこの曲もまたひとつの「夏曲」の枠組みに入るかなと思います。聴くと存在しない夏の海の思い出が、頭の中にフラッシュバックしそうになるので、今年海行けなくて残念だったな…という方にもおすすめかもしれません。

 

では第26位です。

 

26位 アルジャーノン


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第26位は「アルジャーノン」です。ダニエル・キイスの小説「アルジャーノンに花束を」がモチーフとされています。シンプルな曲構成ながらも、美しく儚いピアノの旋律とsuisさんの歌唱が心に染み渡る曲です。ギターの音色の寄り添い方も優しく暖かいです。

この曲は各パートの話を以前に、とにかく歌詞が刺さる曲です。

貴方はゆっくりと変わっていく とても小さく 少しずつ膨らむパンを眺めるように

 

僕らはゆっくりと忘れていく とても小さく 少しずつ崩れる塔をながめるように

それぞれ1サビ、落ちサビの歌詞なのですが、「少しずつ変化していく」という様子を「膨らむパン」「崩れる塔」で表現されていて、ここの情感がとても切ないです。

この先の歌詞にも「ゆっくりと~」の表現は頻出しており、儚さを増幅させています。

 

この曲の歌詞、「アルジャーノンに花束を」の物語を知っていると余計に刺さります。

僕はこの作品を読んではないですが、それを日本版にしたドラマを学生時代に見ていました。それがとても印象的で考えさせる内容だったため、時を経てまた、この曲を通してその時の思いが蘇った次第です。

ただその文脈無しで聴いたとしても、「少しずつ変わっていく僕らだけど、それでも寄り添って生きていこう」という人間関係の模様を描いた曲として、恋人だったり友人、家族、各々の文脈で受け取れるものとなっています。

 

これも実はドラマの曲だったりしますね。

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では、ゆっくりと次の順位にかわっていきます。

 

27位 夕凪、某、花惑い

第27位は「夕凪、某、花惑い」です。よく僕が「ドラムが好きな曲」として挙げることの多い曲です。

 

僕はドラマーではないので細かいことは分からないですし、ミーハーなのは承知ですが、それでもとにかくドラムがカッコいいなという印象です。

最初とAメロのハイハットのビート、Bメロのリムショット、そこから怒涛のドラムロールでサビにつなぐというこの一連の流れがとても好きなんですよね。歌詞が一拍喰って入ってるのもあって、サビ頭のインパクトがとてもつよく頭がはじけ飛びそうになります

 

歌詞の中身はヨルシカ曲オールスターといった感じで、他楽曲を思わせるフレーズが各所に出てきます。「夜しか見えぬ幽霊」や「心に穴が空く」など分かりやすいものから、「ギターを鳴らして二小節」「この歌の歌詞は380字」などの匂わせオマージュも散りばめられてて、DECO*27さんの「愛言葉」シリーズを髣髴とします。

サビ頭が「さよなら」で始まってるのも、僕が好きなヨルシカ曲第3位のあの曲を意識してそうです。

 

音圧ゴリゴリサウンドで聴くほどさらに魔力が高まるので、ライブで毎回やって欲しい曲やななんて思ったりもします。

 

では第28位です。

28位 月光浴


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第28位は「月光浴」です。映画「大雪海のカイナ」の主題歌ですね。

これはもう聴いた瞬間に度肝を抜かれるでしょう。多くは語りません。

歌詞にない部分が本体だと言わんばかりの壮大なフェイク、一級品過ぎてコメント付けるのも野暮なんじゃないかと思わされます。

 

足して、足して、溢れて。足して、足してる分だけ 過ぎて

文字に起こすとかなり短いのですが、それを感じさせないほど濃密で壮大なサビです。

n-bunaさんコーラスとの綺麗なハーモニーも魅力ですね。なんというかこのお二人の声、良い感じにバランスよく帯域カバーしてる感じがあって、それが曲の層をより厚くしているように思います。

楽器隊の入りを、サビ頭じゃなくて数拍後に持ってくるのももはや伝統芸能ですね。こういうバラードにおいてはその「遅れてやってくるヒーロー」があまりにも正義です。

バンドで合わせる難易度はかなり高いと思われますが、バチっと合わさった時の迫力はすさまじいですね。

 

まだこの曲「LIVEで浴びる」という実績を解除してないのが非常に恐ろしいです。絶対このランキングに影響を及ぼしそうな気がしてます。

 

足して29位に参りましょう。

29位 踊ろうぜ

 

踊ろうぜ

踊ろうぜ

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第29位は「踊ろうぜ」です。この曲名からもにじみ出てますが、非常に悪ガキ感の強い曲です。

 

嗚呼、人間なんて辞めたいな。そうだろ、面白くもなんともないだろ。

嗚呼、自慢のギターを見せびらかした あの日の自分を潰してやりたいよ。

いきなり冒頭「嗚呼~」の悪ガキsuisさんがとても可愛いですね。このささくれ立った言葉遣いと歌い方で曲のスタイルを確立しております。世の中に対して、そして自分自身に対してさえも言いたいことをさらけ出している素直さがダイレクトに刺さります。

 

イントロのギターのリフもそれを反映してか荒々しく勢いがあり、曲の速度を1.1倍ぐらいにしてそうな疾走感があり、ほんとに踊ってしまいたくなるような謎の魔力も秘めています。曲名の説得力が高まるフレーズですよね。

 

そのままサビに持っていくのかと思いきや、その前のBメロセクションにオシャレな空間が展開されます。このポストロックみたいな部分が実はお気に入りです。歌詞自体は短いのですが、ワウをかませたギターなどで埋めながら「間」を繋いでおり、サビへの橋渡しを担っています。

 

今が苦しいならさ 言い訳はいいからさ あぁもう、踊ろうぜほら

最後のサビでは転調して、腕を強引につかまれて外へ引っ張り出されているようなそんな展開になります。これは惚れます。

今から少しだけ、このまま少しだけ踊ろうぜ

そして最後小節を長めに伸ばしてるときの、後ろのドラム回しがカッコいいです。最後に限らずですが、サビ終わりのギターフレーズから間奏のリフに繋がるところも良いですね。

 

第30位に行こうぜ。

 

30位 ただ君に晴れ


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第30位は「ただ君に晴れ」です。ヨルシカ屈指の人気曲ですね。

Youtubeの公式再生数は2億回と最高を記録していますし、誰しも1度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

特筆すべきはやっぱりこの「キャッチ―さ」ですよね。乗りやすいリズムと軽快なメロディ、サビのクラップなど心を掴む要素が満載です。

非常にシンプルかつ王道のミドルテンポロックであるゆえに、難しいこと考えずに楽しめる曲でもあります。ギターも分かりやすくカッコよくて、Aメロ後ろでボーカルの隙間を縫うように、掛け合うように鳴っているフレーズが僕はとても好きです。

 

絶えず君のいこふ 記憶に夏野の石ひとつ

 

俯いたまま大人になって 追いつけないただ君に晴れ

しかし「言って。」もそうでしたが、こうゆう明るそうな曲にはだいたい裏があります。歌詞を見ていくと、「大人になっていく君とは対照的に、あの夏の日々が忘れられずに、追いつけない僕」というなんともセンチメンタルな心情が読み取れます。

正岡子規オマージュのフレーズが入っているのも、「ひとつ」の物寂しい響きがサビへの橋渡しとして機能していることを鑑みると、非常に妙が光っている部分です。

 

この手ぶらでは帰さないというn-bunaさんのスタイルには、ただただ天晴れです。

またこの曲はヨルシカLIVE 「前世」2021 においてアコースティックverが披露されているのですが、そちらはテンポも本家のポップさもそぎ落とされ、より歌詞の哀愁と切なさが強調された形となっており、また違った良さがあります。

 

 

 

では第31位です。

31位 準透明少年


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第31位は「準透明少年」です。疾走感のあるロックチューンですが、タイトルにある「透明」の意味を考え出すと途端に切なさが滲みだし始める曲です。

「思春期の心の叫び」を赤裸々に文字に起こしたような文体で、suisさんの込める感情にもそれを意識したかのような意思の強さを感じます。

 

ギターが主役のサウンドですが、音色と曲の親和性が高くて、違和感なく流れるように聴けるのも特徴だと思います。個人的に好きなのは2番終わりの間奏で、ベースがまず下地のリフを弾く、そこにギターが後から乗ってきて形になっていくところがたまらなくカッコいいです。シンプルにロック曲として強いですよね。

 

愛の歌も世界平和も 目に見えないなら透明なんだ そんなものは無いのと同じだ

 

身体の何処かで 言葉が叫んでるんだ

そういうストレートなロックに乗っかっているこの「吐露するような歌詞」「内なる叫び」が我々の心に強く訴えてくるわけです。ラスサビの「見えない君の歌だけで」にはあらゆる感情が吹き溜まりのように積もっていて、印象に強く残る部分ですね。

 

こうゆう少年の叫びみたいな曲を、女性Voが歌うからこそ感じられる情緒ってありますよね。ええ、あります

 

それでは第32位です。

 

32位 思想犯


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第32位は「思想犯」です。破壊衝動、退廃的心情といった印象の強い曲です。尾崎放哉の俳句を引用して実際に「思想を盗む」=「盗作」をしているという、収録されているアルバムのテーマを強く反映している曲でもあります。

 

Aメロの声域は女声にしてはかなり低く、後ろのギターは広がりのあるアルペジオを鳴らしているのでのっけから不気味です。それがBメロに移るとどちらも輪郭のはっきりとした音に近づいていって、まるでこれから何かしでかしてやろうと決心したような感じです。

硝子を叩きつける音 何かの紙を破くこと さよならの後の夕陽が美しいって 

君だって分かるだろう

そのBメロの歌詞がこれです。明らかに何かする気満々です。しかし、歌詞すべてに目を通していく内にその腹の内が徐々に明かされたりもしますので、なかなか奥深いです。

 

ダーク路線のロックですが、サビのメロディ及びハモリがとても綺麗で、故に際立つ部分でもありますね。手数の多いドラムフィルが入ってきたりと確実に攻撃性は高いのですが、「さよならの後の夕陽」のように、美しさがまたそこに内包されているのはn-buna美学なのかもしれません。

 

お気に入りポイントはラスサビ前の間奏で、急に今までなかった跳ねるリズムが入ってきてそれに呼応するベースのフレーズがカッコいいです。

 

第33位に参ります。

 

33位 春ひさぎ


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第33位は「春ひさぎ」です。「思想犯」と同様のアルバム「盗作」からの曲ですね。

公式YouTubeの概要欄にあるように、「春をひさぐ(売る)=売春の隠語」を大衆社会における音楽の安売りになぞらえて描写した歌詞になっています。そのアプローチの仕方もそうですし、曲としてみたときに受ける印象もそれまでに無かったタイプだったのでインパクトが大きかったですね。

 

言勿れ 愛など忘れておくんなまし。苦しい事だって何でも教えておくれ

サビの歌詞ではこのように花魁言葉が使われたりして、一層「売女」要素が強調されています。大衆音楽を揶揄するといった文脈を、つい見失いそうになります。かなり聞き手の解釈に委ねられている部分が多いですね。

 

曲の雰囲気も独特で、ピアノ&ギターがリズミカルでありながらどこか怪しい旋律を奏でてます。ピアノの低音およびベースが音階を下っていくフレーズが多いのもまさに「堕ちていく」ということなのでしょうね。

サビはどこか掴みどころのなく、「雨とカプチーノ」のサビに似た浮遊感をも感じます。しかし要所でアコギがアクセントをいれたり、楽器全体でキメがあったりして締めるところはきっちり締めています。

 

あと意外とヨルシカでは珍しいのがギターソロに見られるワウフレーズ。怪しく妖艶な艶感を持つこの曲に華を添えています。n-bunaさんがギターを主軸に曲を作られている、というのはボカロ時代からヨルシカへと変遷していく中でも変わらないスタイルでしたが、そうじゃない曲が徐々に増える中でこういったギターの「変化球」も見られるようになり、より曲の個性が広がったように感じます。

 

次は第34位です。

 

34位 嘘月


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第34位は「嘘月」です。「花に亡霊」「夜行」と合わせて、アニメ映画「泣きたい私は猫を被る」のタイアップ用に作られた曲です。

 

歌始まりからしっかり間奏をはさんでAメロに繋がっていく展開に、サビ前の「落ち」があったりと、その穏やかな曲調に反してかなり壮大な曲であると感じます。

 

サウンドとしてはピアノ主役で、ゆっくりめテンポの準バラードといった感じですが、風鈴の音や「夏が去った」というフレーズの陰に、n-bunaさんお得意の「夏の終わりの喪失感」が滲んでいます。

 

注目ポイントは歌詞の中で引用される尾崎放哉の詩です。

夜になった こんな良い月を一人で見てる

 

僕は愛を 底が抜けた柄杓で呑んでる 本当なんだ 

味もしなくて 飲めば飲むほど喉が渇いて

もともとの詩が持っている荒涼感に加えて、「飲むほど喉が渇く」と追い打ちでナブ成分を振りかけているのが憎いです。相性ばっちりですよね。n-bunaさんはこの辺りの感性にシンパシーを感じて、尾崎放哉の詩に魅せられたのかもしれないですね。

 

君の目を覚えていない 君の口を描いていない

物一つさえ云わないまま 僕は君を待っていない

ラスサビで印象的なのはやはりこの「~ない」の繰り返しですが、曲名「嘘月(嘘つき)」の大回収ポイントでもあります。解釈についてはネット上でさまざまされていると思うので触りませんが、語尾の統一されたセクションはそれだけで強く印象に残ります。

そこから、どういう意味なんだろう?と思って歌詞全体を眺め始めたのなら、あなたはもう沼の入り口に足を踏み入れているのかもしれません。

 

次は第35位を待っています。

35位 心に穴が空いた


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第35位は「心に穴が空いた」です。

力強いピアノの旋律がリードするロックナンバーで、濁流のように押し寄せてくる展開が非常にダイナミックな曲です。

 

忘れたいのだ 忘れたいのだ 忘れたい脳裏を埋め切った青空に

君を描き出すだけ。

こちらはBメロになるのですが、浮遊感⇒収束でばっちりキメに持ってくのがカッコいいですね。音的にもそうですが、歌詞も後半になるにつれ詰まっていて「脳裏を埋め切った」からのメロディ割りが好きです。二番ではつなぎ目にベースのスラップも入ってきて、めっちゃカッコいいです。

 

繕って 繕って 繕って 顔のない自分だけ

サビはまさに「畳みかける」という表現がピッタリで、文字の量もテンポの速さにも息が詰まりそうになります。去り際の「だけ」の2文字で後を引っ張るのもカッコ良い。剣道でいうところの「残心」ですね。

 

間奏は美しいギターの響きだけ、になります。全体的に勢いのある曲でありますゆえに、ここで落ちると綺麗に際立ちますね。ここからのCメロ⇒落ちサビはもう浮いたり沈んだりの波乱の展開で、心臓が弱い方ご注意です。

 

聴く者の心にもポッカリと穴を空けるような、そんな余韻感を残します。

 

次は第36位です。

36位 ブレーメン


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第36位は「ブレーメン」です。あっはっはっは

ゆったりしたテンポでありながら、さながら行進曲のように心地よく、ステップを踏むようなフレーズが下地にあるオシャレ曲です。

 

冒頭の軽快な歌い口から、さっそく楽し気な雰囲気を漂わせてますが「この夜の」のコード感で不安感を煽りに来ます。

 

愛の歌を歌ってんのさ あっはっはっは

精々楽していこうぜ 死ぬほどのことはこの世にないぜ

明日は何しようか 暇なら分かりあおうぜ

歌詞については上記に見られるようにかなり楽観的かつ、肩を組んで大声だしてきそうな地元の友人感があります。「あっはっはっは」はかなり印象に残りますよね。裏で鳴ってるグルービーなギターもクサくて最高です。

 

ただ、そこはやはりn-bunaさんということで

同じような歌詞だし三番は飛ばしていいよ

 

お前らみんな 僕のこと笑ってんのか なぁ....

などの遊び心や、目がガンギマリな要素もあります。「あっはっはっは」だったところをラスサビでは音抜きするという技は、まさに我々の心に穴を空けようとするがごとくですね。

 

こうしてみると結構な異色枠の曲だなと感じますが、n-bunaさん曰くこういうテイストの曲が作ってて楽しいそうなので、まだまだ引き出しはたくさんお持ちなんだろうなと思わされますね。

 

第37位に進んでいこうぜ

 

37位 だから僕は音楽を辞めた


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第37位は「だから僕は音楽を辞めた」です。これもかなり知名度の高い曲ですね。

 

楽器は各パートかなりいろいろな動きをしていて、難易度高めの曲だと思いますが際立つのはやはりピアノ。明確なピアノソロのセクションがあったり、曲の抑揚をピアノの打鍵で表現したりと貢献度がすごいです。感情を吐き出すようなピアノロックとしてとても完成度が高く、多くの人の心を打つのは納得だなと感じています。

 

ライブで披露されることも多いこちらですが、suisさんの最後のロングトーンには毎回圧倒させられます。元の声の良さ+感情成分のバランスの良さが遺憾なく発揮されている部分で、音源の時点ですでにヤバいのに生がもっとヤバかったというパターンです。

この曲が出たぐらいから、suisさんの表現力にさらに磨きがかかっていったように思います。

 

その魂のロングトーンがあってから最後の最後で曲名回収っていう展開も、シンプルですけど胸を打ちますよね。

 

ねえ、将来何してるだろうね。音楽はしてないといいね。困らないでよ

 

間違ってないだろ 間違ってないよな 間違ってないよな

ここに挙げている二か所の歌詞は、文字だけだと伝わらないんですけど結構好きなポイントです。一個目の方は「....困らないでよ」と実は会話の行間が空いてて、二人のやりとりが易々と想像できます。こういった行間のニュアンスを音楽に乗せるのがほんとに上手いですよね。

 

二つ目の方は、これも頻出する「繰り返し」の構文です。ですがそこにsuisさんの感情が乗ることで完成します。特に三つ目の「間違ってないよな..?」は後ろの疑問符の表現がすごく繊細で、泣きそうになってるようにも聞こえる絶妙なバランスで発せられております。

 

次は第38位です。間違ってないよな...?

 

38位 八月、某、月明かり

 

第38位は「八月、某、月明かり」です。「夕凪、某、花惑い」と対を為すBPM220曲で、曲名の印象からも最初はどっちがどっちなのか覚えられないのも、ヨルシカファンが通る道ですね。

 

サウンド的には夕凪の方がメリハリがはっきりしてて、抑揚のコントロールによるサビのインパクトが上回ってたので順位が上になってました。しかし当然「八月」もその疾走感と、より強い「感情」のパワーを感じられるロックナンバーです。

 

最低だ 最低だ 僕の全部最低だ 君を形に残したかった 想い出になんてしてやるもんか

サビでは「最低だ」を繰り返しながら脚韻をそろえることでリズムを構築していて、歌詞を聞き手の脳に刷り込んできます。中身についても、ヨルシカ曲オールスターのようになっていた「夕凪」に比べると、こちらは明確にメッセージをもって当たり散らかしてる感じがあります。

 

人生27で死ねるなら ロックンロールは僕を救った。考えるのも辞めだ!

どうせ死ぬんだから

かなり擦れてます。「全部いらない」とあらゆるものを捨て去ったり、言葉の数で捲し立てたり、しかしその言動の裏には「寂しさ」や「やるせなさ」が見え隠れしてます。

これが疾走感あふれるロックにのせてやってくるので、聴いてるとほんとに心にチクチクと刺さりますね。

 

ギターリフもお手本のような高速フレーズで、おおよそBMP220の速さで涼しい顔して弾ける範疇ではないように思えます。n-bunaさんの手癖フレーズも随所に散りばめられてて、ギタリストでもある僕からするとやはり弾けるようになりたいなという憧れの曲です。

 

ラスサビの怒涛の言葉ラッシュはこの曲ならではのキャラクター性があり、ドラムやピアノも盛大に盛り上げますので、ここも印象の強い箇所です。ここの歌詞を全て覚えているという方がいらっしゃいましたら是非僕から何らかの賞を贈呈させてください。

 

続いて第39位です。

 

39位 盗作


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第39位は「盗作」です。「音楽を盗んだ」1人の男の人生や生き様をモノローグ的に綴っている曲です。まるで演劇における独白のように感情豊かに、かつダイナミックに歌い上げるsuisさんが印象的な曲で、楽器隊もそれぞれが感情の波に同調するようなサウンドを演出しています。

 

ピアノに注目して聴いてみると、なんか聴いたことあるクラシック曲が聴こえてきたりとちゃんと「盗作」してるのもすごいところですね。ちなみに自分は自力ではそのことに気づけませんでした。

 

例えば1サビ後の間奏では、ピアノが展覧会の絵の冒頭フレーズを弾いてます。ただ、同時にギターが超エモいギターソロを弾いたりもしてて、まずそっちに気を取られます。それゆえ展覧会のフレーズにはなかなか気づけませんでした。ここのギターは音の歪み加減も、ヨルシカの中ではかなり攻めてて良いですね。


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そうだ 何一つもなくなって 地位も愛も全部なくなって

何もかも失った後に見える夜は本当に綺麗だろうから

本当に 本当に綺麗だろうから 僕は盗んだ 

ここはCメロに該当する箇所ですが、ここのsuisさんの吹っ切れたような歌い方と、それに合わせてギターが高音を奏でる展開に鳥肌が立ちます。「本当に...」と繰り返し呟くところなんかは、感情の乗りがすさまじいです。

 

この曲を聴き終わった後の、まるで映画を一本見終わったかのような読了感が、この曲がいかに濃なのかを表していますね。

 

次は第40位です。

40位 風を食む


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第40位は「風を食む」です。情景の描写の仕方がすごくリアル目線で、アコギの美しい旋律に合わせて、そんな文学的な歌詞が染みこんでくる曲です。ちなみに僕は「食む」の読み方をこの曲で知りました。

 

展開としてはかなり平坦な曲なのですが、歌詞の持つ音の響き、透明感のあるボーカル、ドンシャリベース、アタック感のあるアコギと、あらゆる美しいものを結集させた展覧会のような曲です。

 

特にベースが終始心地良いです。輪郭がハッキリくっきりとしていて、他を邪魔してないのにちゃんと目立っているという、最高の塩梅をしています。おそらく、ドラムが打ち込みであること、エレキギターが飛び道具的フレーズしか鳴らしてないことなど周りの要素も影響してるかもしれません。

 

ボーカルも、どちらかというとキュート寄りの声で個人的な癖に刺さってきます。途中のハミングとかめちゃ良いですよね。こうやって書けば書くほどもっと上の順位でもいいだろ、と思えてくる曲です。

 

棚の心は十五円 一つだけ売れ残った 

値引きのシールを貼って 閉店時間を待った

明日もきっと天気で 此処にも客が並んで 

二割引きの心は 誰かが買うんだろうか

サビの歌詞の響きが綺麗なのももちろん注目ポイントなのですが、他にもこのAメロの歌詞のように何気ない風景の中に心情を練り込ませるというの、作詞の技が光るところです。

いやあ、いいですよねこういうの...と語彙力が盗まれてしまうのも納得です。

 

 

以上21位~40位でした。またしても長々とお付き合いいただきましてほんとうにありがとうございます。正直この辺りの順位になってくるとランキングをつけるといってもほんとに誤差の範囲で、聞いてるシーズンによっても変動してくるとは思います。

 

ただ「順位」はあくまでもおまけで、全部の曲を聴きこんでコメントしてみることで新たな魅力を発掘したり、よりそれぞれの曲を好きになることの方が本命かもしれません。読んでいただいた皆様も、これを機にヨルシカ楽曲を聞いてみる、もしくは聞き直してみると、新たな知見が得られるかもしれません。

 

それでは。41位~63位もまたゆっくり書いていこうと思います。

ヨルシカ好きな曲ランキング 1位~20位編

どうも、きのPです。

普段から音楽を聴くことを趣味として生きている僕が、1番と言って良いほど好きなアーティストがいます。

 

それがn-bunaさんです。

 

最初はボカロ曲をメインに活動されており、その数々の名曲は今でも伝説として語り継がれています。


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(↑n-bunaさんを好きになったきっかけの曲)

 

この時期の曲だけでも延々と語れるほどに好きなのですが、今回はボカロ時代の曲は泣く泣く割愛し、2017年からボーカルのsuisさんを加えて活動されているヨルシカというバンドの話をさせていただきます。

 

この記事では結構前に流行った楽曲ソート(↓ラブライブのやつをリンクで載せてます)を

https://blog-imgs-42.fc2.com/i/l/o/ilovelovelive/lovelive_music_sort.html

自分用に「ヨルシカ楽曲ソート」として作成して実施、その結果を踏まえたランキングを用いてそれぞれの曲を語っていくという趣旨で進めていきます。

 

※作成した楽曲ソートについては、それを一般用に公開する術を持ち合わせていないためリンクを載せることができません。申し訳ありません。

 

今回ランキングの対象になる曲ですが

  • 「靴の花火」から「晴る」まで
  • インスト曲は除く
  • 「爆弾魔 Re-Recording」などの再録は除く
  • suisさんがゲストボーカルされてる曲や、n-bunaが他アーティストに提供した曲、ヨルシカがカバーした他アーティストの曲などは除く

以上を踏まえた全63曲となります。

 

かなり曲数があるので今回の記事では1位~20位までを書かせていただきたいと思います。続くかは定かでないですが、いずれ63位まで全ての曲について書くつもりではいます。

 

そして、前提として知っていただきたいことが2つございます。

まず1つは「結局全部好き」ということです。

63位になった曲でも基本的に良いとこしか見つからないですし、そのレベルでn-bunaさんの作る音楽に感性を揺さぶられています。

ですので楽曲ソートやっていく過程で幾度も断腸の思いを経験しました。そのためランキング終了時僕の精神は疲弊を極めました。でも楽しかったです。

 

もう1つは「楽曲の歌詞に展開されている背景ストーリーはあまり読んでない

ということです。

たとえば「エルマとエイミー」の物語のことですね。アルバムを通して、またアルバムを超えて一貫したストーリーが背景にあるのがヨルシカの特徴ですが、基本的に僕はヨルシカ曲を「その曲単体」で聴くのが好きです。ですので感想の書き方は、音楽方面のことだったり、その歌詞の表現、言葉の耳触りといった観点からのものが主軸となります。

 

以上の点も踏まえつつ、読んでいただけると幸いです。なお本記事で述べていることはあくまで個人の意見であり、音楽的な用語も使いますが、なにぶん僕もまだ勉強中の身ですので暖かく見守っていただければ幸いです。

 

 

 

1位 藍二乗

 


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いきなり1位からの発表です。栄えある1位となったのはこの曲「藍二乗」です。

 

もう全部がカッコいい

 

この曲はどのパートをとっても味があり、ダイナミックでありながら繊細さも兼ね備えているヨルシカ屈指の名曲です。

 

"白紙の人生に 拍手の音が1つ鳴っている"     

という最初の歌詞からすでに引き込まれるのですが、そこから流れるようにブリッジミュートのギターリフに移行し、楽器全体で徐々に上げていくという荘厳な展開に魅了されます。

 

またボーカルの表現力も光っていて、サビの「ただ ただ」がただただ美しいです。加えて、地声とファルセットを巧みに使い分けながら流れるような歌い方をされており、とても迫力があります。サビのメロディの強さも魅力ですね。

 

ベースがインするタイミングであったり、リムショットでアクセントをつけるドラムであったりと、リズム隊の細かな動きにも注目どころが多く、バランスよく完成されてます。ライブでどこに注目して(注耳して)聴くか非常に悩ましいですね。

 

次は第2位に参ります。

 

”人生は妥協の連続なんだ。そんなこととうに分かってたんだ。エルマ、君なんだよ。君だけが僕の音楽なんだ” (歌詞より引用)

↑ここの感情の起伏良き

2位 チノカテ

 


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第2は「チノカテ」です。歌詞が本当に刺さる曲で、以下いくつか引用させてもらうと

”夕日を吞み込んだコップがルビーみたいだ。飲みかけの土曜の生活感をテーブルに置いて”

 

”ずっと叶えたかった夢があなたを縛っていないだろうか?それを諦めていいと言える勇気が少しでもあったら”

 

”花瓶の白い花 枯れたことも気づかなかった。本当に大事だったのは 花を変える人なのに”

 

センスが半端なさすぎる。何を食べたらそんな切り取り方ができるんでしょうか。

 

歌詞ももちろんですが、「間」を最大限に活かした曲展開も強みの一つです。

特にサビ前ですが、静寂があることで聞き手の注意が引き付けられ、そこからのなだれ込むような展開が強烈に印象に残ります。

 

「あ、夕日」「あ、散った」「あ、待って」の「あ」のたった1文字にも感情を込めるという丁寧すぎるVoの仕事にも注目です。

「散った」は淡々とつぶやく感じなのに、「待って」のところで見え隠れしている感情が良いですよね。

 

Aメロの裏で存在感を放つエレピサウンドや、間奏に入るコーラス、ボーカルのフェイクなどがどことなく物寂しさの味を出してるようにも思えます。

 

実はドラマの主題歌だったりもしてます。

魔法のリノベ | 関西テレビ放送 カンテレ

 

続いて第3位です。

 

3位 ノーチラス

 


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                      (↑公式のLIVE動画良すぎ)

 

最強バラードとしてこの順位に入ってきたのは「ノーチラス」です。スローテンポな曲でもどこかポップだったりしがちなn-bunaさんが放つ、正真正銘の壮大なバラード曲と言っていいと思います。

 

Aメロから早速オーラが違います。さながら深海の中のような静けさを帯びながらも、シンバルがアクセントで鳴ってたりしてただのバラードでないことを予感させます。

 

”さよならの速さで顔を上げて いつかやっと夜が明けたらもう 目を覚まして”

 

Bメロにかけて徐々に盛り上がっていくのですが、サビに入った瞬間だけ一旦音数が減ります。そこから「顔を上げて」でまるで視界が広がるように、この曲も最高の盛り上がりを迎えます。Voの歌唱力フィーバータイムです。個人的には「もう」のニュアンスが超好きですね。ライブで聴いたら鳥肌どころか膝から崩れ落ちますよこんなの...

 

と、聞いてる側の感情をグチャグチャにしがちなのがこの曲の罪ですね。そりゃあ3位です。

 

続いて第4位です

 

4位 詩書きとコーヒー

 

第4位は「詩書きとコーヒー」です。

 

ボカロ曲時代から脈々と受け継がれてるナブギターロック(※僕の勝手な呼称です)の極地みたいな曲です。おそらく僕と同じでボカロ時代から推してる方は、これを聴いたとき「これだよこれ!」と机をバン!したことかと思われます。

 

「わかんないよ」の繰り返しで始まるサビはかなり印象的で、ギターのカッコよさと合わせてキャッチ―さも科学している曲と言えるでしょう。ただ繰り返すだけじゃなくて、ひとつひとつ感情の込め方を変えて歌ってるVoのsuisさんも最高にキャッチマイハートですね。

 

2番終わりからラスサビにかけての展開は圧巻のひとことです。2サビが終わって、怪しい雰囲気を醸し出すギターのコードフレーズ、その裏で鳴ってるブリッジミュート、とガラッと変わったテイストの間奏を挟み、

”ほら そろそろ詩も終わる 時間だ やっと君の番だからさ” 

でラスサビ突入です。痺れます

 

時間なので次は第5位です。

5位 春泥棒

 


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第5位は「春泥棒」です。このコーギー犬を見るだけで何かが決壊してしまう方は非常に多いことでしょう。かくいう僕も前世 2023ツアーで回収された壮大な伏線回収により、心に穴を空けられた民のひとりです。

 

その補正でこの順位なのは正直否定できませんが、それ無くしてもとても好きな曲であります。「夏」のイメージが強いn-bunaさんですが、このように「春」の曲でも非常に情景的な作品を作られます。古くはボカロ時代の「花降らし」が印象深いです。


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                       (↑こちらも超絶名曲です)

なぜここまで魅せられるのかというと、「春」という季節の華やかで希望に満ちるような側面でなく、

”花散らせ今 吹くこの嵐は まさに春泥棒”

の歌詞に見られるように「散り際」という「終わり」の側面、儚さや別れといった要素を抽出しているからだと個人的には感じています。

 

ラスサビでは

"あともう少しだけ もう数えられるだけ” ”あと花二つだけ もう花一つだけ”

と1つずつ花弁が散っていく様子をじっくり丁寧に歌い上げており、「あ、終わってくんだ…」という悲壮感を漂わせます。

 

途中の間奏でバトンを渡すみたいに各楽器がソロを奏でるところも見せ場ですね。

 

続いて第6位です

6位 雪国

 


www.youtube.com       (↑だいたい2:30ぐらいからサンプルが聴けます)

第6位は「雪国」です。「国境の長いトンネルを抜けると」でおなじみ川端康成の「雪国」がモチーフの曲ですね。ヨルシカの中でもかなり異端に分類されるかと思います。

 

「夏」のイメージが強いn-bunaさんですが、このように「冬」の曲でも..(ry

と、要するにどの季節をテーマにしても、しっかり出汁の取れる曲をお作りになられるということですね(?)

 

冬モチーフというと、なんの偶然か順位が隣り合ってしまった第7位の曲も連想されると思います。しかしこの2曲、まったくアプローチが異なっております。

 

「雪国」は音数が非常に絞られていて、その結果生まれてくる「空白」を武器にしている曲と言えます。またそれによってボーカルがめちゃくちゃ際立つという構図にもなっており、女性ボーカル大好き協会に所属している僕にドストライクです。刺さる人にはめちゃくちゃ刺さるんじゃないでしょうか。

 

しんしんと降り積もった雪によって辺り一面真っ白になり、音すらも消えてしまったようなそんな世界を想像させる曲ですね。

 

また歌詞についてはn-bunaさん曰く「男女の冷え切った仲を雪の白さに落とし込んでいる」ようで、ヒエッとなるのですが

”僕らの憂いが 日々日々積もって まるで雪の国ね。 どうか躊躇って あなたも想って 雪が溶けるまで 愛が解けるまで”

の部分などにそのニュアンスが読み取れます。

 

「雪が溶ける」と「愛が解ける」を掛け合わせてるところに、n-bunaさんの感性の「冷たい部分」が表れていると僕は感じましたね。背筋がゾクッとします

 

トンネルを抜けると次は第7位です

 

7位 冬眠

 

冬眠

冬眠

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第7位は「冬眠」です。先ほどの「雪国」は閉塞的な冬のイメージでしたが、こちらは開放的で広がるようなサウンドが特徴で、疾走感すら感じます。

 

バーブサウンドで奏でられるギターリフは、掴みどころがなくフワフワと浮遊しているような感覚を体感させます。そういうサウンド面のアプローチも含めて、冬真っ只中というよりは「冬から春」になっていく過程がイメージできる曲ですね。

 

この高順位の要因の一つになっているのが、ヨルシカLIVE 前世(2021ver)で披露されたこの曲のアレンジverの存在です。

 

これがあまりにも良すぎました。イントロの尺をかなり引き延ばして、そこへストリングスの調べとsuisさんのフェイク(♪Huh~)が入り原曲のリフにつながるという、めちゃくちゃ幻想的でかつ高揚感を湧き出させる代物になっていました。

BD盤が出ていますので、冬眠ガチ勢の方は必見です。

 

話を原曲に戻すと、この曲は淡々と同じ高さを低空飛行していくような、抑揚少な目の展開を二番サビまで続けています。しかしその後にラスサビを前にして、この曲唯一の盛り上がりとなるCメロが表れます。このセクションが、まるで雲間から差し込む日差しのように、曲の中で存在感を放っているのです。suisさんの歌唱も感情的になり、歌詞が深く心に刺さります。

”忘れることが自然なら 想い出なんて言葉作るなよ。忘れないよう口に蓋して”

 

さて続いて第8位です

 

8位 言って。

 


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第8位は「言って。」です。これはもう間違いないですね。この曲はおそらく人類の90%が好きだと思います。ヨルシカの名を世間に広める要因となった曲の1つです。

 

ポップテイストなリズム、伸びやかなサビ、カッコいいリードギターキャッチー極まれりです。「盲目的に、盲動的に、妄想的に~」と歌詞の語感にもリズミカルな一面が見られて、非常に耳触りがいい曲ですよね。これがヨルシカ2作目でいきなり放り込まれてくるのですから、そりゃあ「ヨルシカ良いな...」となることでしょう。

 

しかしこの曲の罠はその後に待ち構えているのでした。

 

タイトルの「言って」は曲中でも度々登場しますが、ふとこの曲の歌詞に目をやったときにあることに気が付きます。「言う」という漢字の表記が大半の中で、

 

”あのね、私実は気づいてるの。ほら、君がいったこと”

↑この1番Aメロだけひらがな表記になっており、そしてとどめになるのが

 

”あのね、私実は分かってるの。もう君が逝ったこと”

Cメロまえに一度だけ出てくるこの部分、音だけだと気づかないのですが、「言った」ではく「逝った」なんですよね。つまり1見するとキャッチ―POPなこの曲、その実は「亡くなった君」に向けて歌っている曲だったわけです。

 

目からうろこでしたね。あ、そういう意味だったんか...!となったときの衝撃は今でも覚えてます。

 

ポップで明るい曲調なのに実は歌詞が暗い」が僕は大好物であるので、先ほどの気づきを経てからよりこの曲が好きになったと記憶しています。

 

では続いて第9位です。

 

9位 いさな

 


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第9位は「いさな」です。君さてはバラード好きだな...?とそろそろ勘づかれそうなぐらいド直球バラードです。

 

これはもうサビの強さだけでこの順位にいるといって差し支えありません。メロディが美しすぎなのと、バラードでsuisさんが得意としている「息のニュアンス」、それが掛け合わされて無敵になってもうてます。LIVE「月と猫のダンス」におけるパフォーマンスは圧巻でしたし、この曲を聴くために何度画集を読み込んだのかわかりません。

 

モチーフ的にも戦闘力的にも「ノーチラス」と双対を為すバラード曲だなというように思いますし、このランキングTOP10に「画集でしか聴けない曲」が2曲も入ってくるのがヤバすぎます。

 

この形態には賛否あると思っていますが、僕個人としてはやはり、それだけ好きな曲が一般的に手が出しづらい位置(画集だいたい8000円ぐらいします)にあるのがちょっと残念です。サブスクやダウンロード購入もできないので出先で聴いたりできない不便さもありますし、何らかの形で救済されないかなと願っております。

 

続いて第10位です

 

10位 雨とカプチーノ 

 


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第10位は「雨とカプチーノ」です。これが音源リリースされたときにまず感じたのは「今までと一味違う」でした。

 

ベースのスラップを土台にして、とてもお洒落な雰囲気を纏っているAメロ。それが転調して一気に怪しげなオーラが噴き出てくるサビ、まるで別曲を聴いていると錯覚させるような曲展開です。

 

それまでの「言って」や「詩書きとコーヒー」のようなギターロックでもなければ、「冬眠」「パレード」のような落ち着いた曲たちの面々とも、いずれにも属さないこの「得体のしれない力」に魅了され、当時は狂ったようにこればっかり聴いてました。

 

一種のカフェイン中毒ですよね。

 

”さあ 揺蕩うように雨流れ 僕らに嵐す花に溺れ”

この「揺蕩うように雨流れ」ってフレーズがほんとに良くて、この言葉の持つ響きだけで浮遊感、流動的な感覚を味わうことができます。サビ終わりの「どうか どうか」と祈りをささげるようなフレーズも、suisさんの表現力が光ってるポイントです。

 

次は第11位です。

 

11位 テレパス 

 


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第11位は「テレパス」です。アニメ「大雪海のカイナ」の主題歌ですね。

究極の「引き算」曲です。サビを際立たせるために余計なものを極力排除した前奏がとても芸術的です。それでいてこの曲でしか得られない養分があるなとも感じていて、独特のリズムと展開が癖になってます。割と新しめの曲ですが、それでもこの順位になってくるぐらい聴きこんでます。

 

この曲のドラムがぼくはかなり好きで、スネアの音とハイハットの16分が終始心地よく、またバスドラを抜くタイミングなどの「引き算の美学」がここにも表れてます。

 

ギターについても「ここぞ」というタイミングでお洒落フレーズを投下していたり、サビでは単音フレーズながらもビートを奏でる貢献をしていたり、「名脇役」といった感じです。

 

ボーカルに関して言うと、Aメロの「ボソッとつぶやく」ような歌い方が印象的です。

「どう言えばいいんだろうか。例えば雪化粧みたいな そう白く振ってるんだ」

「寂しさ?それを言いたかったのね」

歌詞もこんな感じなので、もはや歌っているというより「セリフを喋っている」ように思えます。語りかける歌詞はヨルシカでは多いですが、こういう会話形式の歌詞は珍しいですね。「?」と「のね」のニュアンスめっちゃ好きです。

 

続いて第12位です。

 

12位 斜陽

 


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第12位は「斜陽」です。アニメ「僕の心のヤバいやつ」の主題歌ですね。

この曲がリリースされた時期は、「左右盲」→「チノカテ」→「テレパス」→「アルジャーノン」とゆっくり~ミドルテンポでかつピアノが主体のものが多かったので、久々に来たギターロックだ!ということで当時は賑わいましたね。

 

実際僕のギターの好きなやつ(フレーズ)がこれでもかと詰め込まれていて、癖になるリフ、歯切れのよいコード、半音下がる進行、そしてサビのカッティングと美味しいどころだらけです。ギタリストがもれなくコピーしたくなる曲だと思います。

 

歌詞の「落ちていくように」でほんとに音も落ちていくあのBメロは、天才と言うほかないと思います。サビへのお膳立てとしても効果を発揮していて、軽快でキャッチーなサビに重みを持たせています。

 

タイアップ先の内容になぞらえて、「僕」が「君」に恋をするというテーマで歌詞が書かれていますが、suisさんの歌唱もそれを意識してか少年らしさの滲む中音域が目立ちますね。ギターソロ前のフェイク「Ah~」も筆舌に尽くしがたいです。

 

今回の記事では触れませんが、タイアップアニメの原作の方もめちゃくちゃ好きなのでぜひ読んでみてください。

 

次は第13位です。

 

13位 エイミー

 

第13位は「エイミー」です。アルバム「エルマ」に収録されている曲で、前作アルバム「だから僕は音楽を辞めた」の「エルマ」と対になっている曲です。なかなかややこしいですね。この辺りは背景ストーリーがガッツリ用意されてる部分なので、考察が捗るとされてはいますが僕がそういう聴き方をしていないので、あくまで曲単体で見ます。

 

”このまま 何処か遠い国で浅い夏の隙間を彷徨いながら”

 

とは言いながらも、このように「エルマ」でてくるフレーズが出てくるのに気づいたりすると、エモを感じてしまうのがオタクの性です。

 

歌詞単体について触れるとすると、

”口に出してもう一回 ギターを鳴らして二拍 歌詞を書いてもう三節 四度目の夏が来る。”

「一回」→「二拍」→「三節」→「四度目」と数え歌になってる部分が好きですね。後ろのギターがそれに合わせて歯切れ良いコードを鳴らしてるの相まって、好感度爆上がりです。このように遊び心をのぞかせつつも、曲全体として非常にメリハリがあって各セクションキャラが濃いです。

 

”さあ 人生全部が馬鹿みたいなのに 流れる白い雲でもう

想像力が君をなぞっている あの夏にずっと君がいる”

サビでは歌詞がグレ初めて、やや治安が悪くなるのがいいですね。後ろのギターもいい仕事をされています。

 

”人生なんて終わるものなのさ いいから歌え もう”

suisさんに命令されたい人はこちらラスサビも必見です。

 

続いて第14位です。

 

14位 左右盲

 


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第14位は「左右盲」です。映画「今夜、世界からこの恋が消えても」の主題歌ですね。

僕はこの映画を見ていないのですが、曲単体のストーリーだけ見てもとても切なく物寂しさを感じさせる曲です。

相手の顔や仕草を少しずつ忘れていく様子を「左右盲」になぞらえる、というその発想がまずすごいです。そこにオスカーワイルドの「幸福な王子」もモチーフとして取り入れるという、コンセプトがごちゃついて崩壊してしまいそうなことを平然とやってのけているn-bunaさん。そこに痺れますし憧れます。

 

Aメロはsuisさんのか細くて掠れるような歌唱と、アコースティックギター、そして何も音が鳴ってない「空白」で構成されてて、「間」の伝道師たるn-bunaさんの魅力が顕現しています。恐らく全曲のなかでもトップクラスの静かさなんじゃないかと思います。

 

そしてサビですが

”一つでいい 散らぬ牡丹の一つでいい 君の胸を打て 心を亡れるほどの幸福を”

と「願い」の感情のこもった歌詞で聴く者の心に訴えかけてきます。「一つでいい」と繰り返すのも、心からそう思っていることが伝わってきますね。シンセの音も哀愁を漂わせていますし、サビ自体の迫力は抑え目ですが、切ない感情が尾を引いて後味を残していくような曲だと思います。

 

”何を食べても味がしないんだ 身体が消えてしまったようだ。

あなたの心と 私の心が ずっと一つだと思ってたんだ。”

ラスサビが終わってもうひと回しだけAメロが続くのですが、その歌詞がこれです。

この後ほんとにスッと曲が終わるので、読後感でしばらく頭が真っ白になってまいます。曲中で「一つ」という単語はかなり強調されて出てきますが、最後にこのような形で回収されるのも、美しく切ないです。

 

次は第15位です。

 

15位 雨晴るる

 

第15位は「雨晴るる」です。なんだか分かりませんが癖になる曲です。

まるで雨の中を散歩しているかのような気持ちになる、ゆったりと落ち着いた曲調にオシャレなベースやエレピの音色が光ります。Aメロのクリーンギターの断続的なフレーズも、「雨」を表現しているようで没入感があります。

 

”歌え 人生は君だ ずっと君だ 全部君だ 愛の色だ”

サビに入ると心情をぶちまけるような歌詞へと移り変わり、ただのオシャレ曲では終わらないという様相を呈しています。「雨の降る空」と「心の内」を重ねた比喩の曲であるというのはイメージできますが、「雨が晴れ」たとて全然気持ちは晴れねえよ..というやりきれなさのようなものも感じ取れます。

 

この頭の「歌え」はsuisさんの歌い方もとてもよくて、今までの静かで落ち着いた雰囲気を一気に変えるスイッチの役割を果たしています。

 

落ちサビからラスサビへの展開は、キメも相まってかなりダイナミックです。この辺はバンドで合わせると楽しいだろうなという想像もあって、バンドマンでもある僕イチ押しの曲なわけですね。

 

第16位に参ります。

 

16位 憂一乗

 

第16位は「憂一乗」です。対になっている「藍二乗」とはいろんな意味で対照的です。

こちらは徐々に楽器の数が増えて盛り上っていくタイプのバラード曲で、サビの印象が1番、2番、ラストで全部違います。

 

なので一見すると平坦なバラードですが、その実各セクションで全然違うことやってたりして曲としての面白さも十二分に含んでいます。

音数が少ないところからのスタートなので、途中の迫真のベースがめちゃくちゃ映えます。ベースが好きな曲としても名前が挙がるであろう点は「藍二乗」と同じですね。

 

”こんな自分ならいらない 僕には何にもいらない 

お金も名声も愛も賞讃もなんにもいらない”

そしてやはり外せないのはこのCメロで、音圧的にも一気に壮大になります。こうゆう場面で光るのがsuisさんの声質ですよね。感情がこもったときの「震え」が綺麗に乗っています。

 

”ずっとずっとずっとずっとずっと 君を追っているだけで”

その後のこの辺りの歌い方も大好きですね.... suisさんの歌唱だけでランキング作るなら間違いなくTOP5には入ると思います。

 

続いて第17位です

 

17位 エルマ

 

エルマ

エルマ

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第17位は「エルマ」です。相方が先ほどランクインしてましたが、こちらはアルバム「エルマ」ではなく「だから僕は音楽を辞めた」に収録されてる点は注意が必要です。

 

「エイミー」は比較的抑揚がはっきりして、メリハリのあるミドルロックという感じでしたが、「エルマ」はセクションの縫い目が曖昧で、全体的に「広がり」を帯びた開放感のある曲だと思っています。

 

ギターのアルペジオから曲が始まるとこであったり、リフの暖かい音色、そしてそれがそのままサビの背景音になっているところなどに上述の特徴が感じられます。

 

”このまま 何処かの遠い国で 浅い夏の隙間に寝そべったまま”

このサビの伸びやかで綺麗な響きis至高です。この順位につけといてなんですが、サビの歌唱が超絶好きです。「遠い国で」のファルセットが美しすぎるんですよね。天使の歌声でしょうか??

 

ここが好きすぎるあまり、同じフレーズが「エイミー」で登場したときにテンションが上がってしまったことは、読んでるみなさんも想像に難くないと思います。

 

続いて第18位です。

 

18位 花に亡霊

 


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第18位は「花に亡霊」です。映画「泣きたい私は猫をかぶる」の主題歌です。

この辺りからアニメのタイアップが始まった印象ですね。それまではあまり別作品に曲を書くことをされてなかったので、当時はかなり驚いた記憶があります。

 

夏の終わりの静けさや、余韻といった情景を曲に映すn-bunaさんお得意のアプローチですね。このように湘南乃風やサザンのようないわゆる「陽の夏」ではなく、徹底して「陰の夏」を描き続けるn-bunaさんに深く共鳴したのが全ての始まりだったように思います。

www.nicovideo.jp          (↑ボカロ時代でランキング作ったら絶対1位になる曲。)

 

”言葉をもっと教えて 夏が来るって教えて 僕は描いている 眼に映ったのは夏の亡霊だ”

特筆すべきはやはりサビの「教えて」の伸ばし方ですね。単にビブラートかけているだけ、では片づけられない独特の息の抜き方が美しいです。これを繰り返すことでサビの威力を数段階上げています。

 

曲を通してかなり「可愛い」少女寄りの声で歌われているのもポイントで、キュートsuisさん派閥なるものがあるとすれば、この曲がメインテーマとして掲げられているのは想像に易いことでしょう。

 

また、途中に挟まるギターソロがセンセーショナルこの上ないです。チョーキングを下地に置きながらも、スライドも混ぜて「揺れ」を作ることで、「夏の余韻」が完成しております。宿題で「夏の余韻」を感じるリフを作れと言われたら、これをインスパイアしたものを出せば優勝間違いないでしょう。

 

そんな余韻の中で次の第19位に参ります。

 

19位 晴る

 

 


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第19位は「晴る」です。アニメ「葬送のフリーレン」の主題歌ですね。

この記事書いてる時点での最新曲になりますので、まだ聞き込みが浅くて評価が定まってない節はあるのですが、それでもこの順位です。

 

ここまで記事を読んでいただいてる方なら、僕がこの曲を好きな理由がある程度予測できるでしょうか。そうですね、「間」の使い方です。

 

Aメロでは、表のスネアに対して裏拍リズムのギターが絡むことで独特の「間」が生まれています。そこからギターが表に移って今度は静寂という「間」が生まれます。

からの極めつけはサビのブレイクですね。「二段階加速するサビ」と僕はよく形容しますが、ラスサビではさらに加速してえらいことになります。

 

”晴れに晴れ、花よ咲け 咲いて春のせい 

降りやめば雨でさえ 貴方を飾る晴る”

Aメロからは想像できないぐらい疾走感のあるサビが展開されますが、脚韻が綺麗なのも特徴ですね。アニメのOPへの提供なのもあり、非常にキャッチ―に仕上がっております。

 

そしてなんとこの曲suisさんのアカペラパートが搭載されております。本当にありがとうございました。己が声ひとつでワンセクション成り立たせてしまうsuisさん、とどまるところを知りません。

ギリファルセットにならないラインすれすれをヘッドボイスで走り抜けておられるので、まあまあ歌うのキツイ(ご本人もラジオでおっしゃてました)はずなのにほんとにすごい表現力だと思います。

 

では第20位に参ります。

 

20位 レプリカント

 

第20位は「レプリカント」です。集計する時期が時期ならおそらくTOP3に入ってるような超大好き曲ですが、これも「雨カプ」同様に「聴きすぎた」ことで順位が落ち着いてるきらいがあります。ほんとに名曲が増えましたね,,,,あれからまた,,,,

 

中身としてはテンポの速いゴリゴリのロックナンバーで、訴えかけるサビの迫力がすごい、という典型的なナブロックの曲です。この特徴に該当する曲はいくつかあるので、ゆえに一時期はヨルシカ曲が「どれも同じように聞こえる」となってた方も一定数いると思います。割と自分もそっち寄りではあったんですけど、この曲が群を抜いた要因は「サビの厚み」です。

 

”心以外は偽物だ 言葉以外は偽物だ 神様だって作品なんだから 僕らみんなレプリカだ”

n-bunaさんのコーラスも重なって非常にアツいサビです。サビ頭からフルスロットルで走ってきていて、音がなだれ込んでくるような感覚です。あとシンプルに音作りがよいですよね。ロックだからといって尖りすぎず、スッと体に馴染む「天然水のようなサウンド」だと思ってます。

 

”言葉で全部表して 心も愛も書き足して それでも空は酷く青いんだから

それはきっと魔法だから”

そんな強力なサビですが、ラスサビでさらに化けます。強烈なドラムのフィルインから繰り出される怒涛の展開は聴くものを圧倒しますし、1番で「僕らみんなレプリカだ」だった部分に最後「それはきっと魔法だから」がハマっているのがなんともエモーショナルです。

 

 

 

さて、ヨルシカ好きな曲ランキング1位~20位の発表および、ヨルシカオタクのつぶやきでした。

 

途中何を言ってるのかよくわからない箇所は見受けられたかもですが、ここまで読んでいただきありがとうございます。

 

登場した音楽用語や解釈、感性についてはほんとに僕個人の意見ですので、真に受けないでいただきたいということだけ念押ししてこの記事を終わろうと思います。

 

余力があれば残りの曲についても書きたいので、それについては気長にお待ちください。

 

では。

2024年 あけましておめでとうございます

お久しぶりです。きのPです。

 

一時の気の迷い及び若気の至りで「ブログをやってみよう!」と立ち上がり、記事を5つほど書いてからものの見事に失踪。あれから実に4年以上(!)が経過しました。

 

kinoblog.hatenablog.jp

 (↑ブログ開設の経緯を書いた記事がこちら)

 

近況の話から入らさせてもらいますと故2023年は、趣味である音楽ひいてはバンド活動をきっかけに、かなり多くの出会いに恵まれた年でありました。

また僕自身の転職も重なり、改めて自分のことを内省する機会も多分にあったように思います。それの中で日々感じたことや大好きな音楽への感想、その他雑多なあれこれを僕は全て旧Twitterの方で吐露しておりました。

 

ですがやはり140文字(今では課金すれば時数の制限も緩和されるようになりましね...)という制限の中で語れることには限界があります。もちろんその限られた文字数で如何にしてわかりやすく端的に伝えるか、それが旧Twitterの醍醐味であるとは思っていますが、一方で字数の枠組みを超えた言葉のアウトプットもないがしろにしてはいけないと考えています。これは教師という職を通して感じたことのひとつです。

 

と、このままいくと現代の日本教育について語り始めてしまう勢いなのでいったん止めますが、要するに「もう一度ブログに挑戦してみようと思った」ということがこの記事の要点です。

 

もしかしたらまたしても3日坊主に終わってしまうかもしれない、、、しかしその3日坊主も100回続ければ1年だ!

という気概を持ちつつ、また例によって音楽への感想や、生きてて感じたことなどをつらつらと解き放っていきたいなと思いますので、温かい目で見てもらえたらと思います。

とりあえずこれ聴いてほしいバンドリ楽曲10選

どうも。きのぴです。

 

みなさんはBanG Dream!バンドリ!)」というコンテンツをご存じでしょうか。

2015年よりブシロードの手によってスタートしたメディアミックスプロジェクトで、ゲーム、アニメ、楽曲、リアルライブと幅広い展開を行っているコンテンツです。

 

現在はスマホアプリバンドリ!ガールズバンドパーティ!(通称ガルパ)のヒット、年に数回行われるリアルライブの成功によりかなり知名度が上がってきており、アニメ界隈の方なら一度は名前を目にしたことがあるのではと思います。

 

当初は少なかった楽曲も今ではオリジナル、カバー曲合わせて100曲を超えており

ガルパの選曲画面のスクロールが大変なことになってます。

今回は、そんな「バンドリ」楽曲の中から、「バンドリ気になってるけど何から聴いたらいいか分からない...」という人に向けて、各バンド2曲ずつ(オリジナル曲1:カバー曲1)、おすすめの曲を紹介していきたいと思います。選定に際してはなるべく音源入手しやすいものを選んでますが、筆者個人の嗜好も存分に含まれてますのでご了承ください。

 

 

はじめに

 まず最初にバンドリのカバー曲についてお話しておこうと思います。これに関しては今でも賛否両論あると思っていまして、バンドリを知らない人が、自分の好きな曲がカバーされているのを見て、良い印象を持つか悪い印象を持つかも様々だと思います。私は、バンドリのカバー曲については、本家の曲をより多くの人に知ってもらうことができるという点、本家とは違った曲の楽しみ方ができるという点で、とても良い印象を抱いています。しかしやはり、「本家を超えるカバーはありえない」「本家を汚されたくない」という考え方の人も、もちろんいてしかるべきでしょう。これについてはどちらが正しいというわけではなく、聴きたくなければ聴かなければいいし、好きなら好きで楽しめばいい、という至ってシンプルな話です。

 ただ、バンドリのカバー曲にはかなりクオリティの高いものが多く(そうでないのもありますが)、「どうせ客引き目当てでしょ」という人にも一度は聴いてみてほしいなと私個人は思います。

 

 オリジナル曲についても少し。

 

 逆に、ガルパのカバー曲目当てでバンドリの世界に入り込んではみたものの、オリジナル曲は全然聴く気がない、という人もいるのではないでしょうか。特に曲数の増えたここ最近では、まさに「何から聴いたらいいかわからん」状態になりやすいと思います。

 バンドリのオリジナル曲は、各バンドごとの個性が強く出ていて聴く人を飽きさせませんし、なによりリリースされるペースがめちゃくちゃ早いので、「新曲まだか…」という状態にもなりにくいです。

 私自身も最初はカバー曲が目当てでガルパをインストールしましたが、徐々にオリジナル曲のクオリティの高さに惹きつけられ、現在では新譜は必ずチェックするようになりました。カラオケでもよく歌います。

 

 前置きが長くなりましたが、この記事が、一人でも多くの人にとってバンドリの音楽に触れるきっかけになれば良いなと思います。

Poppin' Party

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 1000回潤んだ空

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音源入手しやすい曲を、と言っておきながらいきなりシングルのカップリング曲を持ってきてしまいました。しかし筆者的に、この曲を抜いてはポピパは語れません。

 

この曲は「ときめきエクスペリエンス」のカップリングに収録されています。カップリングでありながらその壮大な曲展開と、力強いサビのメロディーで、ポピパの曲の中でも一二を争う完成度の高い曲です。

 

最初はピアノだけから始まり、ギター、ベース、ドラムとどんどん楽器が増えていってそして主サビを迎えるという超エモい曲展開がクセになります。

 

ゲームサイズだとその良さがほとんど生かされていないので、ぜひFullを聴いてほしい一曲です。

 

 

 

夏祭り (カバー)

 

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 言わずと知れた夏の鉄板ソング。鉄板過ぎてすでに多くのカバーがされており、カバーに敏感な人でも触りやすいのではないかと思います。

 

 Poppin' Partyには「夏色SUN!SUN!SEVEN!」「夏のドーン」など夏をイメージさせる曲が多く、またバンドのイメージ的にも「さわやかさ」が売りでもあると思うので曲との相性がめちゃくちゃ良いです。ボーカルの戸山香澄、もとい愛美さんの伸び伸びとした歌声も存分に生かされているのでこれはぜひ聞いてほしい。

 

 ただしFullはまだ出ていないので、ゲームでしか聴けません。残念。

 

Roselia

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ONENESS

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Roseliaの4thシングル。Roseliaの曲はどの曲聴いても「あ、Roselia」って感じなので一曲挙げるのが難しかったですが、私としてはこのONENESSを推します。

 

シンセがっつりの盛大なイントロ、ハイハット裏打ちサビ、とキャッチーが科学されまくっており、ライブの盛り上がりがエグイです、この曲がハマればたいていのRoselia曲はハマるんじゃないかと思います。

 

また同時に収録されているDetermination Symphonyもなかなかブチ上がる曲で、脳のドーパミンを活性させたい方はこの4thシングルは非常におすすめです。

 

 

ONENESS(通常盤)

ONENESS(通常盤)

 

 

 

魂のルフラン(カバー)

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これもまあ知らない人はいないであろう鉄板アニソン。

 

原曲をかなりいじってバンドアレンジしていますが、これが意外にもカッコよく決まっており、かつ本家のイメージもそこまで崩れていないので、非常に聴きやすいです。特にサビのドラムが印象的で、これ声優が演奏すんの!?ってぐらいすごいことやってます。

 

こちらはバンドリ!カバーコレクションという、カバーだけを集めたアルバムのVol.1に収録されているのでぜひお手に取ってみてください。

 

 

Afterglow

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Scarlet Sky

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Afterglowの真骨頂といえばギターのモカちゃんがおおせの通り、「エモい~」ところだと思います。エモーショナルということですね。この曲はまさにその「エモ」を詰め込んだ曲であり、、またバンド名の由来でもある「夕焼け」がテーマで歌詞にも多用されており、バンドを代表する一曲だと思います。

 

声優のキャスティングをここだけ豪華にしすぎたせいで、ほかのバンドより曲数が少ないアフロですが、曲のふり幅は意外にも広く、Hey-day狂騒曲やCOMIC PANIC!!!など個性的な曲もあるので、ぜひこちらもチェックしてみてください。

 

 

 

ロストワンの号哭(カバー)

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ボカロ曲のカバーないし歌ってみたは、歌う人の表情付けによって印象が大きく変わるのが特徴のひとつです。この曲はAfterglowのボーカル、美竹蘭のキャラと非常にマッチしていて、また声優の佐倉綾音さんの声に含まれる「刺々しさ」と攻撃的な歌詞の相性がよく、とても良いカバー曲チョイスだったと思います。

 

 佐倉綾音さんはとくにソロでアーティスト活動をされている方ではありませんが、アスノヨゾラ哨戒班やロストワンの号哭を難なくカバーされているのを聴くと、その歌唱力、声域の広さに驚かされます。

 

 またサウンド自体も本家よりもベース、ギターの主張が激しく、ほんとにカッコいいカバー曲です。

 

こちらはカバーコレクションVol.2に収録されております。

 

 

Pastel*Palettes

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しゅわりん☆どり~みん

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「あちゅい~~」

 

Pastel*Palettesの記念すべき1stシングル。これでこのバンドの方向性がほぼ固まったと言っても過言ではない曲。The王道のアイドルソングといった感じを出しつつ、電波ソングとしての要素も併せ持ち、非常に個性強めな曲です。

 

Vo.丸山彩の声優の前島亜美さんはもともとアイドルをされていた方ですが、そのふわっとしていながらどこかクセのある声はハマると抜け出せない危険性を秘めており、これがパスパレ人気の要因の一つだと思います。

 

パスパレの曲はとてもポップなシンセ音色の印象が強く、アイドルソングを好んで聞かれる方ならとても親しみやすいのではないかなと思います。

 

 

しゅわりん☆どり~みん

しゅわりん☆どり~みん

 

 

ハッピーシンセサイザ(カバー)

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ボカロで知らない人はいないであろう名曲中の名曲。

 

個人的にこの曲はバンドリ全体を見渡しても、バンドと曲の親和度が一番高いカバーなのではないかと思っています。

 

本家で使われる音色と、パスパレの得意とする音楽性が合致しているのも要因ですが、前島亜美さんの声がボーカロイドのような無機質性も秘めているのもこの曲のクオリティに貢献していると思います。 

 

正直人間が歌っているという点を除けば、本家と比べても全く遜色がないです。

 

パスパレのカバーはボーカルの歌唱が非常に安定していて、なにより丸山彩がかわいい。曲だけとは言わず、ぜひパスパレの紡ぐストーリーにも触れてみてほしいと思います。

 

こちらもカバーコレクションVol.2に収録されてます。

 

ハロー、ハッピーワールド!

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ゴーカ!ごーかい?ファントムシーフ!

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このごちゃごちゃした感じ。まさしくハロハピ。

 

ハロハピの2ndシングルです。とにかく賑やかな曲で、合いの手・コーラスも楽しく、ハロハピの曲の特徴を体現しています。

 

ハロハピは5バンドで唯一DJをメンバーとしているバンド(という設定)なのもあって音の情報量が多く、また方向性としては「ハッピー!ラッキー!スマイル!」を掲げており、聴いていると元気が出る曲が多いです。

 

Vo.弦巻こころの声優、伊藤未来さんもこれまたクセのある声をされており、Pyxisやソロ名義での活動、アイドルマスターなどですでにご存じの方もいらっしゃると思います。ハロハピでの彼女はまた一味違った歌い方をされているので、みっくファンは必見。

 

 

 

Dragon Night(カバー)

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原曲は有名なSEKAI NO OWARIです。ドラゲナイの名称で有名ですね。

こちらのカバーですが、ハロハピ自体、セカオワをモチーフとしている節があり(変な外見のDJがいる、など。)満を持してのセカオワカバーという感じです。

 ただ、完全に原曲ブレイカ

原曲どうしたってぐらいイメージがガラッと変わっています。しかしこれがハロハピのカバーの特徴で、どんな曲をカバーしても自分たちのものにしてしまうのが強みです。

 

原曲至上主義の人はとっつきにくいかもしれませんが、カバー曲のチョイスが絶妙なので、もし気になったらぜひ他のも聴いてみてほしいです。

 

この曲もカバーコレクションVol.2に収録されています。

 

 

いかがでしたしょうか。カバー曲に関しては紹介したカバーコレクションというアルバムをまずはチェックしてみるのがよいと思います。またPoppin' PartyとRoseliaからはアルバムも出ています。ぜひお手にとってみてください。

 

今回は紹介していないRaise a suirenというバンドについてですが、これはまた別の記事にて紹介させて頂きたいと思います。

 

それではこの辺で。

劇場版ラブライブサンシャインの挿入歌を聞き散らかした Part2

どうも。きのぴです。お久しぶりです。

 

引っ越しとかでバタバタしてたので全然更新できていませんでしたが、ちょっと落ち着いてきたのでボチボチやってこうと思います。

 

前回に引き続き、劇場版ラブライブ!サンシャイン!!Over the Rainbowの挿入歌シングルの感想をダラダラと書いてこうと思います。

 

Part1の記事はこちら↓

 

kinoblog.hatenablog.jp

 

読む前の注意点! 

  1. 映画の内容やPVなどの要素もちょいちょい挟みます。
  2. 曲の構成とか、サウンドなどについても触れますが、音楽的な専門用語は極力排除するよう努めます。
  3. とはいいつつ、筆者自身音楽知識はさほどないのでまあ緩めに見てください。

 

また、前回はここすきポイント*1をひとつに絞って書いてましたが、なんだか物足りなかったので特にひとつに絞らず適当にやってこうとおもいます。

 

 

 

逃走迷走メビウスループ

作詞:畑亜貴 作曲:山口朗彦

歌:松浦果南(CV.諏訪ななか)、黒澤ダイヤ(CV.小宮有紗)、小原鞠莉(CV.鈴木愛奈)

 


ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow 挿入歌シングル第2弾試聴動画「逃走迷走メビウスループ/Hop? Stop? Nonstop!」

 

まずは3年生楽曲のこちら。ダイヤ鞠莉果南の3人がイタリアの街を奔走しながら軽快に歌い上げていた曲ですね。この曲のここすきポイントはこちら

 

  • 小原鞠莉の歌唱力
  • とにかくノリの良いリズム
  • 逃走中!!

 

小原鞠莉の歌唱力

 まず何といっても目につく(耳につく)のは小原鞠莉もとい鈴木愛奈さんの歌唱力かと思います。彼女の歌唱力についてはいまさら言うまでもないことですが、この曲ではそれがさらにパワーアップしてるように感じられました。

 

というより曲調が彼女にとってかなり歌いやすいんだろうなという印象です。Bメロとかそうなんですが、伸ばすところが多いので、彼女の武器であるこぶし、ビブラートが存分に生きています。映画館で初めて聞いたときは思わず驚嘆の声を漏らしてしまったほどきれいな歌い方をされています。

 

個人的には「息が切れて限界なんだよって↑~~」の歌い方がとても好きです。

 

おそらく5thライブで披露されるだろうと思われますが、鈴木愛奈さんの生歌にとても期待のできる1曲ですね。絶対現地で聴きたい(鋼の意志)

 

「とっそめっそ め~~びうっすぇ~~~!!」

とにかくノリのよいリズム

  

  曲全体としては、スイングジャズのようなリズムで、とてもノリが良いのが印象的です。どことなく前作劇場版挿入歌の Hello,星を数えて や、同じ3年生曲である 「G線上のシンデレラ」 を彷彿とさせます。

 

ハロ星と比較すると、どちらも劇中のストーリー進行と連動しており、

 

  • ハロ星→ニューヨークの街並みをゆったりと歩いてるようなウォーキングベース
  • 逃ループ→鞠莉母から逃げる3年生がイメージされるような、ちょっと走ってるリズムのベース

 

のように聴こえてきます。(諸説あり)

 

また、Gデレラと比較すると、

 

  • Gデレラ→優雅さを前面に押し出したような曲。(単語も、シャンデリア、ダンスパーティーと煌びやかな感じ。)
  • 逃ループ→Gデレラよりややアップテンポで、あちらが幼少期鞠莉をイメージした曲だとしたら、こちらはちょっと茶目っ気のある高校生鞠莉をイメージした曲。

 

のように聴こえてきます。(諸説あり)

 

こうして見てみると、逃走迷走メビウスループは映画で聖良さんが言っていた

という要素を全て詰め込んだ曲であると言えるのではないでしょうか。

 

 逃走中!!

 

我らが畑亜貴大先生による「歌詞」にも注目です。

 

3年生がイタリアの街を逃げ回ってる様子が目に浮かんでくるような臨場感溢れる言い回し、言葉選びが特徴的です。

 

また、ただ逃げているというだけでなく、逃げてるのを楽しんでいる、このまま終わらせたくない、というニュアンスも伝わってきて、この辺りも劇中とリンクしているなと思います。

 

先ほどのリズムの話と合わせて、まさに

逃走中!!

という感じの曲だなというのがまとめです。

 

走りすぎて苦しいのに なぜかみんな笑い出して止まらないの

 

Hop?Stop?Nonstop!

作詞:畑亜貴 作曲:Kanata Okajima、Keisuke Koyama

編曲:Keisuke Koyama

歌:Aqours

 


劇場版公開記念!劇場版挿入歌「Hop? Stop? Nonstop!」スペシャルムービー

 

CMで幾度となく聞いていたであろうこちらの挿入曲。

 

恐るべき中毒性。

 

作曲はラブライブシリーズ初参加のKanata Okajimaさんと同じく初参加のKeisuke Koyamaさんです。(間違ってたらごめんなさい)

 

そのせいもあってか今までの曲にはなかったような雰囲気が感じ取れますね。

 

この曲のここすきポイントはこちら。

 

  • 中毒性のあるメロディ
  • 最高の応援ソング
  • 伸び伸びと歌うメンバー

 

中毒性のあるメロディー

 

CMで聴いてた頃からこの曲は

 

1度聴いたら忘れられない恐るべき中毒性

 

を秘めてるなと感じていました。これは結構共感していただけるんじゃないかと思います。

 

結果的には、この中毒性はサビのみならず、曲全体が帯びていて、 無限にリピートしていられる曲だなあというのがFULLを聴いての感想です。

 

「なんだなんだ」とか「でもでも」など、同じ言葉を2回繰り返すフレーズが印象的で、跳ねるリズムと合わさってそれが心地良さに繋がってるのではと分析してます。

 

使われてる音もかなりポップな感じで、聴いててとても楽しいですね。劇場版前までしばらくエモ路線の曲が続いていたので、久しぶりにこうゆう元気な曲が聴けて筆者としてもとても嬉しかったです。

 

最高の応援ソング

 

今回の映画はキャッチコピーとして「未来へはばたく全ての人に贈る、最高のライブエンターテインメント・ムービー」を掲げてます。

 

Hop?Stop?Nonstop!!はそれを1番体現している曲だと筆者は思っています。

 

ミライは自分で決めるもんさ。安全ばかりじゃつまらない。

 

キラキラしたいね させたいね。それなら「いままでどおり」を抜けだして。

 

ラブライブの醍醐味といえば、このちょっと気恥しくなってしまいそうなぐらいストレートな歌詞にあると思います。

 

それを「青臭い」と感じる人もいるでしょうが、変に技巧を凝らした歌詞よりもこういったストレートな歌詞の方が直接心に響くというのが筆者の持論です。(これは個人的な見解であり、あくまで個人的な意見です。)

 

何か新しいことを始めようとしてる人の背中をそっと押してくれるようなそんな歌詞です。

 

ちょうど筆者も新しい土地で今頑張ってる最中なのでめちゃくちゃ心に染み渡ります。これを聴いて明日も頑張ろう!って思えます。

 

伸び伸びと歌うメンバー

 

個人的にこの曲は1番メンバーの声が生き生きとしているなと感じます。曲調がそうゆう感じなので当然といえば当然ですが。

 

散々ネタにされてますが黒澤ダイヤ

 

デキナカッタコトガデキタリー!!

 

や、松浦果南

 

一緒なーら弾けるパゥワァ!

 

などからも伸び伸びと歌って(?)るのが感じ取れます。

 

個人的には1番の渡辺曜

 

ミライはいまの先にある

 

の歌い方がとても好きです。

 

また、振り付けも飛んだり跳ねたりで楽しそうですね。ライブで披露されるのが非常に楽しみな曲のひとつです。

 

to be continued

*1:筆者が個人的に良いと思ったところ

劇場版ラブライブサンシャインの挿入歌を聞き散らかした Part 1

 どうも。きのぴです。

 

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劇場版ラブライブ!サンシャイン!!Over the Rainbowの挿入歌シングルがひと通り発売されてからしばらく経ちましたね。

 

私は連日のように鬼リピートしております。

 

 

 

いや、今回の挿入歌やばすぎませんか???

 

楽曲の幅が広くて全然聴いてて飽きないし、1曲1曲がギミック満載で、聴けば聴くほど味が出るスルメ曲ばかり。

 

発売から1ヶ月ぐらい経った今でもすべて味わい尽くせてはないかもしれませんが、現状でまとめられるだけの感想を1曲ずつ書いてこうかなと思います。

 

1曲ずつガチで語ってくと、マジで終わらない無限ループなので、ほんとに私が個人的に「ここすき」と思ったポイントをひとつに絞って書いてこうと思います。(以下、「ここすきポイント」とします。)

 

長くなるので3回ぐらいに分けます。

 

この記事ではまず1枚目のシングル、「僕らが走ってきた道は…/Next SPARKLING!!」収録の以下の2曲について触れます。

 

 

 

注意点

  1. 映画の内容やPVなどの要素はなるべく(ここ大事!)除外します
  2. 曲の構成とか、サウンドなどについても触れますが、音楽的な専門用語は極力排除するよう努めます。
  3. とはいいつつ、筆者自身音楽知識はさほどないのでまあ緩めに見てください。

 

僕らが走ってきた道は…

作詞 畑亜貴

 

作曲 EFFY

 

 

冒頭7分がYoutubeで公開されてるので実質Fullバージョンがタダで聴けるこの曲。

 

もう「The オープニングテーマ」という感じ

 

この曲のここすきポイントは…

 

「そうです!」

 

です。そうです。

 

まあこれは大概の人が同じような感想を抱いてるとは思いますが、

 

いきなり「そうです!」からはじまるなんて歌詞、見たことねえよ…

 

まずこの最初の「そうです!」で我々の心はつかまれるわけですね。

 

そしてこの曲には全部で4回「そうです」が出てきます。最初と最後のが千歌、2回目が1年生、3回目が3年生ですね。

 

この曲はミュージカルのように展開が目まぐるしく変わりますが、その転換ポイントにこの「そうです」が散りばめられてます。

 

「そうです」を軸に曲が展開していくわけですね。

 

あるワードを軸に曲を展開させてくというのは、分かりやすくそして印象に残りやすいですね。つまり最高

 

また、落ちサビの表情付けに定評のある伊波杏樹さんですが、今回の「そうです」でも彼女の歌唱力は存分に発揮されてます。

 

3回の「そうです」が徐々に曲の展開を盛り上げていくものであったのに対し、最後の「そうです」は落ちサビ→ラスサビに向けていったん曲をまとめるニュアンスで、噛み締めるような歌い方をされています。

 

聴いてもらえば分かると思いますが、こういった表情付けを彼女にしか出せないニュアンスでやってくれるのが伊波さんのすごいところのひとつだと思います。

 

この4つの「そうです」のニュアンスの違いもこの曲のポイントのひとつですね。

 

 

Next SPARKLING!!

作詞 畑亜貴

作曲 Carlos.K

 

 

 

さて次は、映画の最後にエンディングとして流れるこの曲。

 

もう「The エンディング(以下略)

 

この曲のここすきポイント

 

エモーショナルなギターサウンドによる味付け

 

です。

 

曲としては挿入歌の中でも1番おとなしく、スローテンポな曲ですが、

 

 

ギターが1番エモい。

 

 

特にギターソロなのですが、なんだかWONDERFUL STORIESのそれを彷彿とさせます。

 

と思ってたら作曲の方が同じ、Carlos.Kさんでした。なんだこの人、神か。

 

なんてゆうか音作りがすでにズルいのもありますが、その後の千歌のソロへと繋げるギターソロとして完璧すぎるんですよね。

 

 

完璧すぎてもはや千歌ソロとギターソロがリンクして聴こえる。

 

 

WONDERFUL STORIESはアニメだとギターソロに千歌のセリフが重なりますね。

 

そのセリフがとても感動的なのもあり、今でもあの曲のギターソロを聴くとそれを思い出して目頭が熱くなります。

 

Next SPARKLING!!でも似たような現象が起きています。

 

もうあのギターソロを聴くと、「今だって未熟だけど…」と合わさって聴こえて、あまりのエモさに耐えられなくなります。

 

 

またこの曲はアウトロも印象的ですね。

 

シンセとギターが交互にフレーズを奏でながら最後は同じメロディ、サビのメロディに行き着くという最高においしいアウトロになってます。

 

フェードアウトで終わってくというのも、この曲のテーマである「終わらない」「次の輝きへと繋いでく」を象徴しているようで私はとても好きです。

 

こんなエモを詰め込んだような曲なのに、不思議と聴き終わった後に謎の爽快感が残るのは私だけでしょうか?

 

 

 

(To be continued...)

 

このブログでやりたいこと

どうも。きのぴです。

 

前の記事が長いし真面目すぎたんで、今回はこのブログでだいたいこんなこと書いてくよーみたいな指針を簡潔にと。

 

基本的にはなんかしらのイベントがあったときに、その記録として使ってく感じになると思います。

 

あとは好きなアーティストの紹介とか、アルバムのレビューだとかを気が向いたらやります。

 

個人的にはソシャゲやアプリのレビューなんかもやってみたいなと思います。これも気が向いたら。

 

あとたまにくそ真面目な話するかもしれないんで、そうゆうときはタイトルに「かため」って書いときます。ぜひ参考に。

 

逆に、くそしょうもない話する可能性もあるのでそうゆうときはタイトルに「やわらかめ」って書いときます。これも参考に。

 

 

ひとつ頭の隅に置いておいてもらいたいことが、

 

私はブログ的なものを書くのが初めてなのでいろいろと醜態や不手際を晒すことがあるかもしれません。

 

あと決して文才のある方でもないので、読みにくかったり論理が破綻してたりもあるかもしれません。

 

ので、その辺を是非とも多めに見ていただきたいというお願いです。

 

ではここらで失礼します。